こんにちは、あのぶるです。

毎年この時期は新しい年が始まったソワソワと、4月の年度始めに向けてのソワソワが入り混じった不思議な気持ちになります。
今回は新年から新しいことを始めた人も、4月から新しいことを始める人も、そうじゃない人も頭の片隅に置いてほしい「ストレスとの付き合い方」についてお話をしたいと思います。

※筆者は医療の専門家ではありませんが、なるべく専門家や公的媒体による情報をあたりつつ、自分の心の健康と向き合うきっかけになればと思いこの記事を書きました。記事を読んでご自身の中に何か引っかかるものがありましたら、必ず信頼できる専門家に助言を求めてください。

IT系エンジニアとメンタルの不調

IT系エンジニアの職業病として、「肩こり・腰痛」「眼精疲労」のほかに「メンタルの不調」が挙げられることがままあります。
必ずしも職種特有ということではないと思うのですが、一般的なイメージよりも対人コミュニケーションの多い仕事ではあるので、そこに難しさを感じることが多いのかなとは思っています。

さて、メンタルの不調が引き起こす精神障害の代名詞のようになっている「うつ病」ですが、病気について詳しく知らずともストレスが発症のきっかけになるというのはよく耳にするのではないでしょうか。この「ストレス」というもの、つまりは外部からの刺激による緊張状態のことなので、実は嫌なことだけではなく自分にとって望ましい出来事でもストレスになることがあるそうです。私はそのことをあるテレビ番組で知ったのですが、もともとパワフルな性格の人が、昇進や結婚など嬉しいはずの出来事が続いた後次第に無気力になっていく姿にショックを受けたことをよく覚えています。

誰にでも起こり得て、甘く見れば命に関わるという意味でうつ病を「心の風邪」と喩えることが多いですが、発症のきっかけや予後から「喩えるなら『心の疲労骨折』が近い」という見方もあるようです。いずれにせよれっきとした病気ですので、メンタルの不調を訴えたときに「気の持ちようである」と非専門家が一蹴するようなことはそれこそ風邪の人に休息を取らせずハードワークを強いるようなものですので(こちらも現実に起こっているのが悩ましいところなのですが……)、真に受けずなるべく距離を置くことをお勧めします。

メモリも心も時々リフレッシュ

とは言えストレスをため込んで心が疲労骨折を起こす前に趣味や気分転換の手段を持つのは大事なことです。単純に気分転換としてだけではなく「何らかの理由で趣味の継続が困難になったら転職を検討する」という自衛手段がTwitter上で話題になったこともありました。いきなり転職まで考えるかは別としても、確かに判断しやすい基準を設けることで自分の調子を振り返るよいバロメーターになりそうです。
「気分転換の手段を複数持ち、自分のご機嫌をうまく取れるのがよい大人である」などと言われることもありますが、これは言い換えれば「どうしても自分で自分のご機嫌が取れない場合は何か問題があると考えて然るべき専門家を頼るべきである」と捉えることもできます。意図的に不機嫌を振りまいているつもりがないのであれば、どうか自分を責めず専門家の助言を求めてほしいなと思います。

また、時々「メンタル病んでる人は○○をやるべき」と半ば強引に勧める人もいます。それも多くの場合は「その人に合うリフレッシュ手段だった」という程度の理解で十分だと思います。まずはゆっくり休息を取ることが最優先となる状況もあります。「何かやりたいな」って思った時に自分に合うものを探すつもりで少しずつ試してみるのが良いんじゃないかなと思います。
何をしたらいいか私から敢えてアドバイスを添えるのであれば、結果ではなく行為自体がリフレッシュになるようなことをお勧めします。例えばランニングにしても「○km走る」という目標を課してそれを達成することを第一にするよりは、走ること自体を楽しむ方がきっと気分転換には良いはずです。ランニングに限らず継続的な目標を課すのはのめり込むまで楽しくなってからで十分で、もし走るのが楽しくないなって感じたら違うことを試してみるくらいの気持ちで臨むのが良さそうだなと思っています。

100%誰もが働きやすい環境なんかない

長時間労働の常態化で疲弊しているような、明らかに誰もが不幸になる職場というのはありますが、どんなに評判の良い職場でも自分に合うかどうかは全く別の話です。誰が悪いということもないですが、周囲とうまく噛み合わない状況で我慢し続けても辛いだけです。
大きな会社なら部署を変わるだけで、もしくは独立性の高い職場であればチームが変わっただけでガラリと働き方が変わることもあります。ある職場でダメだと言われ続けた人が転職先でエース級の活躍をしている、なんて話もあります。なので仕事がうまくいかないとき、本当に自分に問題があるのか冷静に意見をくれる人が近くにいるなら是非頼ってほしいなと思います。
また「周囲が自分に何を求めているのか」と「自分がどうしたいのか」のギャップを知るのも大事なことです。「なるべく楽したい」も大事な気持ちなので、無闇に周りに伝えると摩擦の元になりそうですが自覚はしておいた方がいいかもしれません。
何はともあれ、新しい環境に飛び込んで1ヶ月程度で分かりやすい成果を出せることはあまり多くありません。ちゃんとした組織であればそのことをよく理解しているはずですので、焦らず自分に出来ることを積み重ねていきましょう。

たくさんの人に少しずつ依存する

「自立とは誰にも依存しないことではなく、たくさんの人に少しずつ依存できること」という考え方があります。実際、現代の日本において自給自足で生活したとしても、社会インフラなどに支えられている以上、本当に誰にも頼らず生きるというのはかなり稀なことです。
ちょっとドライに受け取られるかもしれませんが、職場と自宅の往復だけではなく、趣味の集まりでも、技術コミュニティでも、複数の居場所を持ってそれぞれに少しずつ依存することがリスク分散としても実際有効に働きます。ひとつの居場所だけにどっぷり、というのはその居場所が何らかの理由でなくなった時、心の拠り所を一気に失うことに繋がるのです。とは言え人によっては初動に結構カロリーを使うものなので、ストレスをため込んでしまう前に少しずつ見つけていきましょう。ちなみに恥ずかしながら筆者もあまり得意な分野ではなく、趣味や地域のお祭りなど週末ごとに様々なジャンルの集まりに顔を出す人は本当にパワフルだなぁと思って話を聞くことが多いです。
学生時代の友人など、あまり物理的に顔を合わせられない人ともSNSで気軽にお互いの近況が分かるようになったのは個人的にはとてもありがたい進歩です。使い方が難しい側面もありますが、テクノロジーを操る側の人間ですもの、警戒するだけじゃなく上手に活用していきたいですね。

それでは、この記事が社会の荒波を乗りこなす良いきっかけとなることを願っています。

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あのぶる

Software Engineer
杜の都で育ち、赤べこの街でコンピュータのいろはを学んだソフトウェアエンジニア。今はスマホゲームのためのWebAPIを作るお仕事をしています。最近はすっかりガルパンおじさん化。