こんにちは、あのぶるです。
私は花粉症持ちなのですが、最近マスクが手に入りにくくてちょっと困っています。
ただ、マスクが手に入らないのと同じ理由で外出する頻度も下がっているため今のところは昨年の未開封の余りで何とか間に合っているのですが、工場フル稼働でマスクを製造している方に感謝の気持ちを感じつつもどうにかならないかなぁと思っています。

ということで、今回は情報リテラシーについてちょっと考えてみたいと思います。

唐突ですが、こんな言葉をご存知でしょうか。

うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい

これは日本最大の匿名掲示板である2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の元管理人、西村博之氏による発言です。
身元が分かりにくく(注:分かりにくいだけで分からないわけではない)真偽不明な大量の情報が飛び交う匿名掲示板の文化を背景として生まれた言葉なのですが、掲示板やインターネットに限らず情報全般を扱うときの基本的姿勢をよく表していると思います。

現代の社会は「情報化社会」という言葉すら古く聞こえるほど、これまでの人類の歴史で間違いなく随一の情報量の中で生きる時代です。同時に、30年前では考えられないほどたくさんの、また遠くの人とも気軽にコミュニケーションを取ることができるようにもなりました。その立役者となったインターネットは集合知が美しく花開く最前線でもあり、一方で「集合愚」と呼ぶ他ないような混沌が日々生まれる場でもあります。ただし、これは何もネットに限ったことではなく、人が集まる場があれば自然に起こることなのですが、距離や場所など物理的な制約が取り払われることで交流が活発になり、かつその記録を不特定多数が参照可能になっていることで可視化されているというだけです。ですからこの事実のみを以て「インターネットは信用ならない」と断じてしまうのはそのテクノロジーと共に生きる人間としてはとても悲しいものがあります。

前述のとおり、インターネットの普及に伴いたくさんの情報を手軽に知ることができるようになりましたが、その情報の正しさを判断するには結局自分の中にある知識が重要になります。とは言え、自分の中に留めておける知識の量にはある程度限界があり、それ以上は発信者を信用できるかどうかでまずは判断することになります。多くの専門的職業において、職業倫理としてその立場を利用して人々を惑わすような行為を禁ずる行動規範を設けているのもこのような理由からです。

ただし、人は悪意や自己顕示欲だけではなく、心からの善意で不正確な情報を発信することもあります。ですから発信者について判断をするときは肩書きをただ見るのではなく、どのような分野を専門としているか、発信している分野に関して今までどんな活動をしてきたか、などの「やってきたこと」を見るように意識しましょう。逆に言うと、噂話や伝聞の情報など、元の発信者の素性が判断できない情報は少なくとも一歩引いて受け取るべきでしょう。
もし発信者がSNSを積極的に利用しているのであれば、過去の発言とそれに対する周囲の反応を見てある程度判断することもできます。「普段信用ならない人がたまに良い発信をする」ということも無くはないのですが、それは自分の力で情報の良し悪しを判断できるようになってから吟味すれば十分かなと思います。
(完全に余談ですが、「何かを決める・判断する」というのは些細なことでも精神を消耗するものなので、自分にとって重要でないのなら無闇に行わないのも立派なライフハックです)

その他、情報の正しさを判断するために重要なものとして「その発信がいつ行われたものか」と「発言の根拠となる情報が確かなものであるか」も見ておくとよいでしょう。特に情報の更新が著しい分野においては、発信されている情報がなるべく新しいものであることは大事な要素です。例えばソフトウェアのバージョンアップによって参考にしていた情報が古くなり使えなくなってしまった、という経験は一度はしたことがあるのではないでしょうか。
私も事実として情報を引用する時は可能な限り公的な情報だったり、オフィシャルな情報元の最新情報を当たるように気をつけています。

また、文章から事実をより正確に読み取るために論理学が役に立つはずです。プログラミングも論理の塊ですので、もし経験がなければその観点でも一度学んでみることをお勧めします。
個性的な世界観でちょっと好みが別れそうですが、NHK高校講座の「ロンリのちから」は論理学の基本を学ぶ上でとてもお勧めです。

もうしばらくは自由に行動できずピリピリすることも多いと思いますが、冷静に情報を使いこなして乗り切っていきましょう!

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あのぶる

Software Engineer
杜の都で育ち、赤べこの街でコンピュータのいろはを学んだソフトウェアエンジニア。今はスマホゲームのためのWebAPIを作るお仕事をしています。最近はすっかりガルパンおじさん化。