こんにちは、あのぶるです。

「はじめてのプログラミング」の時のことを覚えていますか?

私はしばらくの間、自分の「はじめてのプログラミング」はプログラミングの授業のときだと思っていました。でも、Scratchのようなビジュアルプログラミングという概念を知って、私のプログラミングの原体験はもう少し前、高校2年生の頃まで遡れることに気付きました。
今回は記憶を頼りにその時の話をしたいと思います。ほとんど思い出話になりますが、よろしければお付き合いください。

高校時代からの友人の一人に、少し変わった出会い方をした子がいます。

高校1年生の頃、進路指導イベントの一環として校外からさまざまな職業の方が来て、希望する職種の方からお話を伺うというイベントがありました。
当時漠然とIT系の仕事に就きたいと思っていた私は、その中で「システムエンジニア(正式な職種が思い出せないのですが、IT関係のエンジニアの方だったはずです)」の方のお話を聞きに行くことにしました。その時隣の席に座っていた子と待ち時間で意気投合して仲良くなった……のは良いのですが、2年生に進級して同じクラスになるまでお互いの名前を知らないまま過ごしていました。
2年生に進級してクラス名簿でようやくお互いの名前を知り、それからは教室でMO(当時はまだCD-Rが高かったのです)を交換しながら面白かったWebサイトやフリーソフトを教えあったりしていました。むしろ8割くらいは教えてもらっていたかもしれません。

彼女から教えてもらったもののひとつにgroupAskというグループが開発したフリーソフトの『CardWirth』というゲームがあります。
これはテーブルトークRPGをカードゲームとして表現したような雰囲気のゲームで、ゲーム本体の他に専用のシナリオエディタが公開されていて「一般のユーザーが自由にシナリオパッケージを作り、配布することが出来る」という特徴があります。
今となってはそこまで珍しいものでもありませんが、2000年代前半にフリーソフトでそのような仕組みが提供されており、ユーザーコミュニティが形成されていたのは結構凄いことなのではないかと思います。

私はこのゲームにすっかり夢中になり、次第にシナリオを自作することに興味を持つようになりました
付属のヘルプや有志の人が公開していたチュートリアル資料でエディタの操作方法を学び、配布されているシナリオをエディタで読み漁り、自分なりにストーリー・演出・ゲームバランスを考え、短いものの最後まで動作するシナリオを1つ完成させることが出来ました
あまりに内輪ネタだらけで当時ですらその友人以外に見せられるようなものではなかったシナリオ。しかも今振り返るとどう考えても稚拙としか言えない出来だったにも関わらず、彼女は笑いながらプレイしてくれました

最近になって気付いたのですが、この「シナリオを作るための作業(エディタ操作)」がビジュアルプログラミングそのもので、当時全く意識していなかったものの、私の「はじめてのプログラミング」はきっとこれだったんだろうと思っています。
「プログラミングで何かを作るきっかけ」と「完成まで楽しみながら作り上げるモチベーション」と出来上がったものに対して「好意的なフィードバック」をくれたこと、それらを通してプログラミングで何かを作り上げる楽しさを教えてくれた彼女にはとても感謝しています

プログラミングに限らず、何かを企画して完成させることはとても大変なことです。はじめてやることなら余計に大変でしょう。でもその苦労に見合うたくさんのことを経験することが出来ます。自分の思い描くものを作ってみる体験を是非味わってみて欲しいなと思います。

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あのぶる

Software Engineer
杜の都で育ち、赤べこの街でコンピュータのいろはを学んだソフトウェアエンジニア。今はスマホゲームのためのWebAPIを作るお仕事をしています。最近はすっかりガルパンおじさん化。