こんにちは、あのぶるです。

ライターを拝命して以降、泥縄っぽいですが「自分のブログみたいに好き勝手に書き散らかせないなぁ」という気持ちで読みやすい文章の書き方を学ぶようになりました。
今回は、その流れで手に取った『数学文章作法 基礎編』という本を紹介したいと思います。と言いつつ、この文章が読みづらいと本の評判に泥を塗ってしまいそうですので、頑張って書かないといけないですね……

著者の結城浩さんは『数学ガール』シリーズをはじめ、数学やプログラミングの本を多く出版されているライターさんです。
読者の方からは親しみを込めて「結城先生」と呼ばれることが多いです。私の個人的な印象ではありますが、作家さんの呼称としての「先生」というより、学校の先生に接するような感覚で「先生」と呼んでいる方が多いように感じます。
以降、この記事でも「結城先生」と呼ぶことにしますね。

結城先生はプログラマでもあります。著作にはプログラミングや暗号技術の本もありますし、現在もSoftware Design誌でコラム記事を連載されているなど、IT業界でもお名前を拝見することが多いです。Javaの入門書籍も書いておられますので、Javaの経験がある方は先生の著作にお世話になったことがあるかもしれません。
『プログラマの心の健康』は20年(!)も前に書かれたエッセイ集ですが、今もなお変わらず読まれ続けています。
このエッセイは下記のリンクから無料で読むことが出来ます。プログラマに限らずきっと役に立つ内容だと思いますので、もし良ければ是非読んでみてください。


エッセイの文面からも分かるような穏やかで優しい雰囲気が「先生」と呼ばれる理由なのかもしれないですね。

さて、この『数学文章作法』はタイトルに「数学」とありますが、説明のための文章を書く人全般に役立つ内容となっています。
もちろん、数式の書き方など一部数学分野に特化した内容もあります。それでもこの本が全編を通して伝えようとしている「読者のことを考える」という姿勢はどんな分野でもそのまま役立てられるのではないかと思います。

エンジニアとして仕事をしていると、業界に入る前に想像しているよりたくさんの文章を書いたり、説明をすることが多いと感じるかもしれません。そもそも、私たちエンジニアが書くプログラム自体がコンピュータに作業を指示するための「文章」であると考えると、エンジニアが分かりやすい文章を書く能力を伸ばすのは理に適っていると言えます。ソースコードは人間も読むものですしね。
本の中で示される「もれなく、だぶりなく」「1つの文は1つの主張」「文は短く」という指標も、どこかプログラミングの原則に通ずるものを感じます。

むしろ、実はプログラミングを概念からしっかり理解しようとすると数学的な考え方を避けて通ることはできません。そのような意味ではとても近い分野から書かれた本とも言えます。この本を通して数学的な表現や考え方に少しずつ親しむことも、もしかしたら回りまわってプログラミングの役に立つ……かもしれません。
※プログラミングと数学の関係をもう少し詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!

200ページ程度の薄手の文庫本で、小説など一般的な書籍と比べて1ページあたりの文字数も少ないので、大体2~3時間程度で読み終わると思います。もし気になったら是非手に取ってみてください。
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続編に「推敲編」もあります。私もまだ未読ですが、近いうちに読みたいと思っています。
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それでは、より読みやすい文章をお届けできるよう、これからも頑張ります!

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あのぶる

Software Engineer
杜の都で育ち、赤べこの街でコンピュータのいろはを学んだソフトウェアエンジニア。今はスマホゲームのためのWebAPIを作るお仕事をしています。最近はすっかりガルパンおじさん化。